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個性

僕たちが作る家具が暮らしでどう見えるのが良いのかをよく考える。
暮らしの風景に溶け込むことを目指しながら、自分自身の個性も大切にしたい。
個性とはなんだろうと、必要かと思いながらもその狭間で揺れ動く。

そんなある日、設計士さんに「高橋さんの家具は強い」と指摘されてひどく落ち込んでしまった。
簡素で美しいものを作りたい。優しく静かな佇まいなものを作りたいと思っていて
「強い」という言葉に真逆の印象を感じたからだ。
ただ、一方で美しさとは、野生動物のようなたくましさが必要でないかと思うことがよくある。
その形を成す線に生物を感じる、脈打つ線がなければと思うことがある。
華奢で繊細な美しさでは、生物として弱いと感じるから。
長く生き残るものは、たくましいのだ。

僕が生み出す家具たちは生物を感じるたくましい力強さを放ちながらも
人の暮らしをそっと優しく支える脇役でいてほしい。

そんなデザインを生み出したいと今、思う。

 

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