人並み
「自分らスタート遅いし、天才でもない、いたって普通な才能しかないのだから
絞って、絞って、最後の一滴まで絞りだして、やりすぎなくらいでようやく人並みなんですよ。」
飛騨高山の学生時代の寮の中、先輩からお聞きしたお話が、なにか挑戦をするときいつも頭をよぎる。
「今、本当の限界までやれたか。」
コロナ渦の中、ようやくできるイベントが当工房にとっても過去最長のイベントになる。
広島三越さんの6階にて、10月から翌年1月までの3ヶ月の期間限定ショップ。
昨年、一昨年と三越さん3週間の展示会をさせて頂いたけれど、今回はさらに大きな挑戦だ。
家具の魅力を伝えるのは、空間から作らなければ。
少しづづ経験を重ねる中で、より視野を広く空間も自分らしい世界観を作ることの大切さを実感してきた。
今回は、期間を3ヶ月も頂き、よし!と今回ももれなく、また新しい空間作りを楽しみたいと自然と思うようになった。
今までは、約1日の作業時間に対して今回は、空間の製作期間に4日も頂くことになった。その瞬間、「漆喰で壁を塗りたい。」と考えていた。
百貨店というある種無機質な空間に自然素材の壁を注入することが自分の家具の魅力をより引き立てると思ったから。
(もっというとフロア全体の空気感をも変えてくれると)
というはいうもののスケジュールはとてもタイト。
大工工事もギリギリの戦いの中、なんとか左官作業の準備ができて
友人の左官職人さんに無理言って、壁を塗ってもらうと予想以上の質感に感激していた。
きっと良い3ヶ月になるそんな嬉しい予感と「やりきったなー」という心地よい疲労感に包まれて初日を迎え
ここでまた良い出会いがたくさん生まれたらいいなと心から思う。