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toto │ トト

トト

父と子、母と子、カップルで座れる1.5人掛けの木の椅子です。
大きな腕をイメージした背もたれ部分のアームが、座る人をやさしく包み込み
まるで「こちらにおいで」と迎え入れるような、温かい造形を目指しました。

お父さん、お母さんの膝の上にお子さんが座ったり、隣に並んで座ったり。
お互いが、別のことをしていても、一つの椅子の中で同じ時間を過ごせます。
トトは、そんな家族みんなを包み込んでくれるような、家族の真ん中にある椅子なのです。

 

木の表情を愉しみながら、一緒に暮らす

背もたれの7本の丸い軸は、強度にすぐれた広島産のブナの木を使っています。
イギリスで伝承されてきたスタイル「ウィンザーチェア」をモチーフとしながら、
どの角度に座っても、背中を包み込んでくれる役目を持っています。
座面部分は広島産のクリの板を丁寧に鉋と磨きで仕上げ、
木目を生かした明るい色合いは、インテリアにも程よく合わせられます。

そして、使えば使うほど、時間を経るほど、美しい木目の表情が静かに変化します。
家族の日々と記憶を刻みながら、やさしい存在感を醸し出して行きます。
ぜひ、この椅子を中心にご家族の記念写真を撮ってみてください。

 

座りやすい、きちんと座れる

「トト」は深い座面を持ち、中央をやわらかい曲面で削ってあります。
人間の腰のカーブにフィットするように、体圧分布を意識した設計となっています。
だから、どの位置に座っても、子どもが寄り添っても、
ずれることなく、しっかりと座れます。

もちろん、恋人同士で寄り添ったり、大人ひとりでも、傍らに本やパソコンを置いて
リラックスできるひとときを、お過ごしいただけます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 
トトの物語
 
木の表情を生かす、じぶんらしい椅子をつくりたい

2013年11月、さしものかぐたかはしの代名詞ともいえる家具として
僕たちは「ロロスツール」を完成させました。
「ファブリックを美しく愉しむ」をコンセプトとした「ロロスツール」に対して、
その「次」にチャレンジしたいものは、おぼろげに見えていました。
木工家として、ファブリックに頼らない「木の椅子をつくりたい」と思ったのです。

もちろん、「ロロスツール」の後もいくつかのオリジナル商品を生み出していましたが
「ロロスツール」と同様、工房の看板であり、僕の作品の代名詞ともなる
まったく新しい椅子を模索しようと思っていました。
そこから、3年間にも及ぶ道のりが始まります。

 

憧れの椅子と暮らし、学ぶ日々

先達が残した、数々の素晴らしい木工椅子の中でも、とくに好きな一脚があります。
ジョージ・ナカシマさんの「ラウンジアーム」です。
片袖に大きなアームを備え、まるで削り出した木がそのまま椅子になったような佇まい。
実際に座ってみれば、包み込まれるようなぬくもりとフィット感がありました。
次の「木の椅子」の発想のために「ラウンジアームを研究しよう」そう決心します。

そこで知人から「ラウンジアーム」をお借りして、自宅に持ち帰り、
日々の暮らしの中で、ともに過ごしながら、研究をつづけました。

 

子どもたちのために、未来のために

お借りした「ラウンジアーム」を、知人にお返しする日がきました。
その知人とは、東広島市で認定こども園を運営されている難波さんです。
お会いして、新しい椅子の構想を語っていた時、難波さんの一言に僕はハッとしました。
「高橋くん、家具って未来に向かって作られるものだよね?」

それまでの僕は、今その椅子を購入される、大人の暮らしを考えて家具をつくっていました。
さしものかぐたかはしの家具は、補修しながら100年後にも使えることをコンセプトとしています。
これまでは、この100年とは親から子へ、子から孫へと、家具が引き継がれ、愛されることをイメージしていました。
ただこの園長先生の、未来という一言がきっかけでこの100年のイメージのスタート地点が変わりました。
子が親になり、その親から子へ、子から孫へと続く世代を超えていく。
子供たちが大人になり親になるまでの時間にも深い愛情が注げる椅子が作れれれば!

「そうなんだ、子どもたちに向けて椅子をつくろう」

そう決心した僕は、難波さんにお願いして、こども園に来られる
子どもたちの過ごし方を拝見させていただくことにしました。

 

親と子が一緒に座れる1.5人掛けの椅子へ

親子が揃って参加するイベントの場など、許可をいただいてこども園に向かううち
僕はどの子どもたちも「親と一緒にいたい」気持ちが強いことに気付きます。
椅子に座って、隣の方と話しているお母さんの膝や手に、子どもたちは寄り添います。
とにかく、出来るだけいつも「くっついていたい」のです。
対するお母さん・お父さんは、その子どもたちを腕で抱きしめるなどしていますが
椅子の横に立っている状態のお子さんを抱くのは辛そうです。

「そうか。親と子が、一緒に座れる椅子があればいいんだ」
1.5人掛けの椅子。それが求めていた答えでした。
子どもたちを包むような椅子でありたいと、僕はたくさんのスケッチを描き始めました。
ジョージ・ナカシマさんの「ラウンジアーム」や、
イギリスの地方都市に伝わる「ウィンザーチェア」など、
椅子の「背もたれ」の部分が、親子を迎え、包むようなアームのデザインが思い浮かんでいました。

 

 

親と子を包み込むには、アームは1本のほうがいい

日々の仕事をしながら、水面下で新しい椅子の構想を練っていた2016年頃、
「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT」というプロジェクトへの推薦を受け取ります。
全国から「匠」と呼ばれる若い職人を集め、伝統と地域の特色を活かしながら、
新しい感覚やテクノロジーを盛り込んだ製品を生み出し、世界に発信しようというものでした。

当初は、別の家具の構想で参加するつもりでしたが、
考えれば考えるほど「親と子が座れる椅子」がこのプロジェクトに相応しい気がしてきました。
イギリスで、地方に伝承された「ウィンザーチェア」の流れを汲むこと。
さしものかぐたかはしが工房を構える熊野町は全国的な筆の産地であり、
背もたれに使われるスピンドル(紡錘状の丸棒)の加工がさかんであること。
日本古来の「指物」の工法でつくること。
広島県産の木材を活かして、今のデザイン感覚でつくること。

僕の頭の中で形になりつつあった、日本らしいたおやかさを持った1.5人掛けの椅子こそが、
「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT」のテーマとオーバーラップするように思えたのです。

そこで、粗削りながら模型を製作し、キックオフのイベントに持参しました。
初期段階の案は、頭の中のイメージのみで作ったので背もたれのアーム部分が1本でした。
ただ、それを実物サイズで形にする方法が思いつかず、
大人と子供が使うから高さを変えるという体のいい理由をつけてアームを2本にわけて、2回目の打合せに挑みました
というのも、緩やかな曲線を持つ一本のアームを木材から削り出すにはコストも時間もかかるからです。
複数の木材を一本につなぎ合わせるのは、強度的な不安もありました。

しかし、プロジェクトのアドバイザーの方からいただいた答えは
「親子を包み込むというビジュアルとしては、アームは一本が相応しい」というものでした。
僕は、そこで、大きな壁にぶつかることになりました。

 

 

答えは、意外なところから生まれる

2016年の秋、広島のパン職人である田村さんから思わぬ依頼を頂きました。
石窯から焼いたパンを取り出す道具「ピール」の制作でした。
通常、国内で使われるピールは1m前後のものが一般的ですが、
ヨーロッパで修行された田村さんが望むものは、4mという長さでした。

1本の木から削り出せれば理想的ですが、コスト的にも重さ的にも現実的ではありません。
さまざまな技法を調べているうちにたどりついたのが、日本建築の伝統技法でした。
2枚の板を階段状に削り接合させ、縦に木材を貫通させ、固定させる
「平掛け込み栓継ぎ」という手法なら、複数の木材をつなぎ合わせ
強度を保つことが可能となり「ピール」は完成を迎えました。
同時に、ずっと悩んでいた、別の課題の解決も見えてきました。

 

 

 

誰もが帰りたくなる、懐かしい空間を生み出したい

2017年を迎え、1.5人掛けの椅子は無事発表の場を迎えました。
家族を包み込むような大きな1本のアームは、3枚の板を「平掛け込み栓継ぎ」でつないだもの。

ネーミングは「トト」としました。
「人と人」が一緒に座る椅子ということで、人の文字を並べて走り書きしている時、
それが偶然にも「トト」に見えたことがきっかけでした。

大黒柱のように家族をずっと見守る存在として、「人と人」が寄り添う場所として。
まるで、家の中にあるシンボルツリーのように、家族の中心にあってほしい。
そんな想いを込めた名前です。
何より小さなお子さんが呼びやすい名前ということを大切に考えています。

オリジナルのロゴは、親交のある素描家 しゅんしゅんさんに描いてもらいました。
7本の線は、背もたれの数と合わせています。

家族や、人々の過ごす空間の中心に
シンボルツリーのように「トト」が置かれることで
いつでもそこで待っていて、暖かく迎え入れてくれる、
誰もが帰りたくなる「懐かしい場所」が生まれること。
それが、僕たちが「トト」に込めた願いのすべてです。

 

 

 

 

 

 

 

材 種 / クリ

塗 装 / オイルフィニッシュ

サイズ / w1000×d620×h1200 sh300mm

価 格 / ¥270,000(税別)

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