wagatabon │ 我谷盆
端正な佇まい。
木目が本来持つ美しい佇まい。
人の手の暖かさが刻まれる、丁寧で繊細な彫り跡。
重ねられ、削ぎ落とした簡素なフォルム。
これがさしものかぐたかはしの我谷盆(わがたぼん)です。
使い込むほどに輝きを増す木目の風合いを感じながら
大切な方との特別な時間はもちろん、
普段づかいの食器としても、多彩にご利用いただけます。
我谷盆は、石川県我谷村(現・加賀市)で生まれました。
雪深い冬。大工や建具職人が生活の道具として、ノミ一本で彫り出された民具です。
ダムの底に沈んでしまった我谷村とともに
途絶えかけていた我谷盆の復活に努めたのが、人間国宝の木漆芸家の黒田辰秋。
その系譜を受け継いだ、木漆芸家の佃眞吾さんから、僕はものづくりのバトンを受け取りました。
我谷盆は、民具ですから、本来はある意味で粗削りで武骨なものです。
その美しさもとても好きだけど、新しく生み出すならば、今の時代に合わせて私らしく作りたい。
ひとつの彫り跡を繊細に、「一本の線が持つ力」を大切にしながら丁寧に彫り進めました。
そうすることで彫る味わいと栗の木目の美しさ、その両方が味わえる我谷盆に仕上がっています。
折敷として、木皿として、ペントレイとしてコースターでもいいし、
私が想像できないもっと楽しい使い方があるかもしれません。
お盆という名前にとらわれず自由に楽しんでほしいと思っています。
そのため装飾的な削りはなく、ただただ簡素に作り上げました。
栗の木は、色の変化も起こります。その変化は使い方によって様々です。
お使い頂く年月が変化となり、お盆に刻まれます。
それがきっとその人にとっての特別な一枚に育っていくと思います。
さしものかぐたかはしの我谷盆をぜひ暮らしの友に加えて楽しんで頂ければ嬉しいです。
右 出来たての一枚
左 3年間お煎茶用のお盆と使用した一枚
拭き漆
拭き漆
拭き漆
材 種/クリ(広島県産)
仕上げ/オイルフィニッシュ、拭き漆
□3寸7分(20×115×115)
□5寸(20×150×240)
□6寸(20×184×184)
□7寸(24×210×300)
□9寸(24×280×360)
※サイズ(厚み×幅×長さmm)
O=オイルフィニッシュ F=拭漆