メイン コンテンツにスキップ

Philosophy

指物さしものとは
木と木を組み合わせてつくる工藝品で
またその技術をさします
指物師は百年以上生きてきた樹木を家具の材料として使います
この長い期間生きてきた樹木に敬意を払い
さらにもう百年以上木に家具として
新しい命を吹き込むことが私たちの大事な役割です
指物は道具を手直ししながら長い期間使い続けるために
培われた技術でもあります
私たちはこの指物の手直しして使い続けるという考えに
とても感銘を受けました
その考えをもとに今の素材道具技術を使い
今の暮らしを楽しむための日常の家具を提案します
この私たちの考え方=ものさしで生まれる家具のことを
さしものかぐと名付けました
さしものかぐのデザインには特別な新しさを求めていません
昔からどこかにあるかのようなもの
人の気配を感じるあたたかなもの
使い心地が良いもの
手入れを重ねて木の寿命が尽きるまで
使い続けたいと思っていただけるような
家具を作ることを目指しています
私たちの望みはさしものかぐ
何気ない日常を豊かな時間に変えてくれる
暮らしの必需品になることなのです

指物

指物(さしもの)とは、木と木を組み合わせてつくる工藝品で、またその技術をさします。
指物の技術とは、接合部に「ほぞ組み」や「アリ組み」といった伝統的な木組みの手法をとり、形をなす事です。堅牢なものをつくるというのが第一目的ですが、特筆すべきは「修復がしやすいということ、手直ししながら長い間使い続けるために培われた技術」ということです。
家具という生活の道具は、日々お使い頂けば、大なり小なり不具合が起こることもあります。
木組みが緩んでくれば、修復し、締め直す。テーブルの天板が傷ついてしまったら、取り外して削り直す。椅子の座面が傷ついて破れてしまったら、張り直す。
私たちの家具は親から子へ、子から孫へ世代を超えて「永く使われること」を望んでいます。そのために指物で作る必要があるのです。

手仕事

私たちが家具作りにおいて最も大切にしているもの、それは「手仕事」です。
木組みのとき、形を整える時、大小様々な鉋、鑿などさまざまな手工具を使い分けます。時には納得のいく仕上がりを生み出すために、道具を作るところから始めることもあります。そうして手間を惜しまず丹精込めて仕上げたものは美しく、時に生きているかの様に感じることがあります。
製作の過程で、職人の手を伝わって魂が移ったのかもしれません。 木という素材は生き物です。同じフォルムのものを作ることができても、木材自体は、同じものはひとつとなく、ひとつひとつクセや表情を持っています。それぞれに合わせて手を加え、家具という新たな役割を与えるべく、形づくってゆく。
手仕事とは、「生き物同士の対話」です。

素材

国産の広葉樹や針葉樹、特に広島県のヤマサクラ、クリ、ブナを中心に外国産のウォルナットやメープルまで多種多様な木材を使い家具を制作しています。その中でも椅子やテーブルの脚物に適するものや、チェスト、サイドボードなどの箱物に適するものなどがあり、家具の用途を考え適材適所に使い分けて制作しています。
樹木は、製材されて家具の材料となっても変わらず生き続けています。木材の素材としての寿命は、樹木として生きていた時間と同様と言われていて、その樹齢はおよそ100年~200年と言われています。私たち指物師はひとつひとつの木材に敬意を払い、クセや表情を見分け、最も適した使い方を考えなくてはなりません。そして小さなカケラもできる限り無駄なく使いきり、木材を人の道具として新たな生命を与える責務があると考えています。

オイルフィニッシュ

オイルフィニッシュとは、いくつかの天然植物性油を混合したオイルを木地に浸透させ、木地の中で固め、余計な水分などから木地を守る手法です。
厚い塗膜で覆ってしまう合成樹脂塗料とは異なり、オイルは塗膜を作らないため木材の呼吸を止めません。人の肌を保護する化粧水のように、木地に浸透して穏やかに表面を保護します。このような特性により、キズがついても修復が容易であることも特長です。
木地の表面を水で濡らしたような塗面は「濡れ色」と呼ばれ、木の持つ艶やかさを引き立て、落ち着きのある深い味わいを表現することができます。

拭き漆

拭き漆とは、うるしの木から出る樹液を精製したものを塗って拭き取る手法。これを数回繰り返すことで、木の表情そのものが生きた仕上がりになります。
海外では、漆が「JAPAN」と呼ばれているように、日本の象徴とも言える素材です。他の塗料では出せない独特の「つや」をもたらします。
漆と聞くと現代の生活空間には、敷居が高いように感じられがちですが、日本の日常生活にすんなり馴染みます。
美しさはもちろんのこと、耐水性、耐熱性、耐薬品性にとても優れており、天然のものとしては最高の塗料とされています。

トップへ戻る